杉江能楽堂を活かす
プロジェクト実行委員会

新着情報

杉江能楽堂を活かすプロジェクト委員会イメージ写真

受け継いだ宝物を後世へ繋ぎたい

大正6年(1917年)の建立から永らく非公開とされていた「杉江能楽堂」。
かつて屋外で演じられていた「能本来の姿が窺い知れる貴重な能楽堂」として、令和4年3月に国登録有形文化財に登録されました。
岸和田城を中心とした歴史的遺構群の中枢に、まるでタイムスリップをしたかのように現在も当時の姿で静かに息づいています。
私たち「杉江能楽堂を活かすプロジェクト実行委員会」は、この貴重な文化財である「南大阪唯一の能楽堂」を活用保存するための第一歩は、「杉江能楽堂」が持つその魅力、価値、歴史を広く皆さまに知っていただくことにあると考えております。
皆様には是非一度、杉江能楽堂を訪れていただきたいと思っています。
外観からは想像ができないほど、内部の鄙びた佇まいに圧倒されます。
舞台の鏡板には呼吸をしているような生き生きとした老松が描かれ、堂内の凛とした空気と、屋根から差し込む自然光の美しさに目を奪われることでしょう。
世界無形文化遺産であり、室町時代から連綿と受け継がれる日本の伝統芸能「能」は日本人の心に脈々と流れてきた「人間の身体を通した伝承・伝統芸能」です。
それを披露できる特別な場所「能舞台」はそうどこにでも存在するものではありません。
地域の皆さまはじめ、広く子供たちにも能楽堂を「町の誇り」として知ってもらい、伝統文化の大切さを伝える「きっかけ」を作りたいと思っております。
100年以上受け継がれている意匠を、100年先も愛され続ける「南大阪唯一の能楽堂」を後世へ繋いでいきたいと願う我々の思いに共感いただければ幸いです。

杉江能楽堂イメージ写真

杉江能楽堂とは

杉江能楽堂は大正6年(1917年)観世流シテ方 杉江櫻圀が旧岸和田城内にあった能舞台の橋懸(はしがかり)を賜り建立されました。
民間では現存する大阪府下最古の能舞台といわれ、国宝に指定されている「西本願寺北舞台」の形式を踏まえた鄙びた舞台です。
前庭の白州と三本の地植えの松、舞台を取り囲むようにL字型に別棟の見所(観客席)が設けられています。
住宅と共存しているところ、また白洲を介し舞台と見所が別棟の【対置式】の能楽堂は全国でも珍しく、極めて貴重な能舞台です。
四季の風を肌で感じることができ、「能」本来の野外で演じられた頃の趣の一端を窺い知ることができます。
本来、舞台の広さは京間三間四方ですが、杉江能楽堂は少し小ぶりの二間四方です。
舞台には岸和田藩最後の藩主である岡部長職(おかべながもと)公が自ら揮毫された「国華」の額が掲げられています。
令和元年一般公開されました。

活動イメージ

今までの活動

「杉江能楽堂を活かすプロジェクト実行委員会」は2020年8月に発足しました。 永く非公開であった個人所有の杉江能楽堂において、能楽および伝統芸能等を語り継ぐための重要な施設として維持管理に協力するとともに、能楽堂を「あるべき姿、あるべき形」で活用した様々な事業の企画・実施等支援することを目的し活動をしています。
能楽堂に気楽に足を運んでもらい、日本古来の行事や身近な題材にちなんだ曲を選び、プロの能楽師による、【初めてでもわかりやすい能楽講座と実演で能を知る】「すぎえ能れっじ」を企画。
能の所作や雑学など気負わず聴けるわかりやすい解説の上、プロの能楽師ならではの至芸とボリューム感のある充実した実演を見せ、能の魅力を伝えています。
また、若手から実力派まで幅広い層の能楽師を招聘し、本格的で魅力ある能公演「きしわだ杉江能」を開催。
コロナ禍での厳しい状況下でも公演を開催し、あまり能公演の開催機会のない泉州地域に向け「本物の能」の鑑賞の場を企画制作し活動を継続しています。
さらに、2022年12月から翌年2月末にかけクラウドファンディングに挑戦しました。
「貴重な能楽堂を次世代に継承したい」とし、活用保存のための取組「杉江能楽堂体験プロジェクト」を開催しました。
多様な日本の伝統芸能を楽しむ企画を制作し、多くの支援者により募集金額目標を上回る160万円超の支援を賜り、クラウドファンディングを成立させることができました。

過去の公演の様子

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